菜の花畑―歴史都市新潟研究会のブログ

歴史都市新潟研究会・杉山節子のブログです。はてなダイアリーの終了により、こちらに移ってきました。よろしくお願いいたします。

某宿題のヒント(02)

昨年度、江南区郷土資料館で開催しておりました古文書学習会の<実践編>で読み進めてきた『新発田領八ヶ村・御料所十二ヶ村 出入双方訴状・返答書写』の第六通目の文書について、

 (1)差出の3人はどのような立場の人と考えられるか?
 (2)宛先の人物はどのような立場の人と考えられるか?
 (3)この文書は、どのようなことを伝えたかったのか?

を考える宿題のヒントです。

 

ヒント(02)として、(01)に翻刻を掲げておいたこの文書の読み下し文を掲載しておきます。

【訓読文】

一筆啓上致し候ふ。厳寒に御座候へども、弥(いよいよ)御堅固に御勤役なさるべく、珍重に存じ奉り候ふ。然(しか)れば、その御支配所割野組村々と当領城山村江筋出入に付き、御支配所村方よりの再答遣はされ、右の趣を以(もっ)て、当方百姓方相(あい)尋ね候ふ処(ところ)、書付差し出し候ふ。百姓どもの義に御座候へば、相(あい)訳(わか)りかね申し候へども、一通り写し、御目に掛け候ふ。場所の義、役人差し出し見分をも致させ、内々御相談に及ぶべしと存じ候ふ処、雪中の義故、その儀なく候ふ。来春雪消え次第、なお又御相談の上、役人指し出し、吟味を遂げ、御意を得(う)べく候ふ。先だっても仰せ聞かせられ候ふ通り、何卒(なにとぞ)内々にて事(こと)済み候ふ様致したき義に存じ奉り候ふ。右、御意を得(う)べきため、かくの如(ごと)くに御座候ふ。恐惶謹言。

 十二月        奥田所右衛門<書判>
            柴山八太夫 <書判>
            坂井軍太夫 <書判>
喜多川要太兵衛様

 

まずは、坂井・柴山・奥田の三名が、どのような立場の人物であるのかを考えると、次の段階に進む手がかりとなります。ご健闘を!