菜の花畑―歴史都市新潟研究会のブログ

歴史都市新潟研究会・杉山節子のブログです。はてなダイアリーの終了により、こちらに移ってきました。よろしくお願いいたします。

『新潟尋句図詩』にみる明治の新潟(1)萬代橋

春になると近くの子どもたちが植えた菜の花に彩られる新潟市中央区日和山
このブログ「菜の花畑」では、そんな湊町新潟の歴史と風景を紹介していきたいと思います。

今回は、明治39年(1906)に刊行された『新潟尋句図詩』に描かれた「萬代橋」の風景を紹介します。

この絵は、同年8月に新潟を旅した漢詩人の石埭・永坂周二(1845−1924)が描いたもので、水の漲る信濃川に架かる萬代橋に感動した永坂は次の詩を詠んでいます。

  信濃川水漲秋潮
  隔岸楼台一矚遥
  平板登登行不尽
  人過橋上欲忘橋

なお、ここに描かれている萬代橋は2年後の明治41年3月、大火の際に一部が焼け落ちたため、翌42年12月に二代目の橋に架け替えられ、さらに昭和4年(1929)にコンクリートの橋になって現在に至っています(平成16年に国の重要文化財)。新潟に訪れる際は、一度歩いて渡ってみて、湊町新潟に思いを馳せてみてください。